未経験IT転職で最初に考えること
「IT業界に入りたい」だけでは、求人を絞るのが難しくなります。 ITには開発、インフラ、運用、サポート、セキュリティなど複数の仕事があるからです。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、 ITの運用・管理について、サーバー等のシステムを安定稼働させるため、 監視やログ確認、トラブル対応などを行う仕事として紹介しています。 また、IT業界で基礎となる知識・経験を得る入口になり得る仕事とも説明されています。
未経験から検討したいIT職種7選
「誰でも簡単に就職できる」という意味ではありません。 求人ごとに必要経験・スキルは異なるため、仕事内容と応募条件を必ず確認してください。
| 職種 | 主な仕事 | 特に活かしやすい経験 | 次のキャリア例 |
|---|---|---|---|
| ITヘルプデスク | 問い合わせ・トラブル対応 | 接客・営業・事務 | 社内SE・IT運用 |
| IT運用・監視 | システム監視・障害対応 | 確認・報告・夜勤経験 | インフラエンジニア |
| テクニカルサポート | 製品・サービスの技術支援 | 顧客対応・説明 | 専門サポート・SE |
| キッティング | PC・端末の設定 | PC操作・手順作業 | ITサポート・運用 |
| インフラエンジニア補助 | サーバー・NW運用補助 | 機械・設備への興味 | サーバー・NW・クラウド |
| Web制作アシスタント | サイト更新・制作補助 | デザイン・文章・PC | Web制作・ディレクター |
| セキュリティ運用補助 | 監視・一次対応 | 確認・分析・報告 | SOC・セキュリティ |
7職種をもう少し詳しく見る
ITヘルプデスク
社員や顧客から「ログインできない」「PCが動かない」 「このシステムの使い方が分からない」といった問い合わせを受け、 状況を確認して解決を支援する仕事です。
厚生労働省job tagでは、電話・メールでの問い合わせ対応、 問題の一次切り分け、必要に応じた専門担当へのエスカレーションなどが 業務として示されています。
IT運用・監視
サーバーやネットワークなどが正常に動いているか監視し、 異常が起きたときに手順書に沿って確認・報告・対応します。
24時間動くシステムでは交代勤務の求人もあります。 そのため、勤務時間や夜勤の有無まで求人票で確認することが重要です。
テクニカルサポート
ソフトウェア、クラウドサービス、通信機器などについて、 利用者の技術的な疑問や不具合に対応します。
PCキッティング・ITサポート
会社で使うPCやスマートフォンに必要な設定を行い、 アカウント設定、ソフト導入、端末管理などを担当します。
求人を見る際は、短期の端末設定作業だけなのか、 その後ヘルプデスク・運用などへ仕事を広げられるのかも確認しましょう。
インフラエンジニア補助
ネットワーク、サーバー、クラウドなど、 ITサービスを動かす土台を扱う仕事です。 最初は運用や保守、設定補助などから経験を積む求人もあります。
Web制作・更新アシスタント
Webサイトの文章や画像の更新、HTML/CSSの修正、 CMSへの入稿などを担当する仕事があります。
自分で小さなWebサイトを作って公開すると、 「勉強しています」だけでなく実際に作ったものを見せられるのが強みです。
セキュリティ運用・SOC補助
システムやネットワークを監視し、 不審な通信やアラートを確認して対応する仕事です。
厚生労働省job tagでは、セキュリティオペレーションについて、 情報システム・ネットワークを監視し、 攻撃や不正アクセスへの対応を行う仕事として紹介されています。
資格は取ってから転職するべき?
資格がなければIT業界に応募できない、というわけではありません。 一方で未経験者の場合、基礎学習を始めていることを示す材料にはなります。
まず候補にしやすい:ITパスポート
IPA(情報処理推進機構)はITパスポートを、 職業人やこれから職業人となる人が備えるべき 「ITに関する共通的な基礎知識」を対象とする国家試験としています。
ITそのものだけでなく、セキュリティ、システム、企業活動など 幅広い基礎を学ぶ入口として使えます。
ITパスポート
ネットワーク基礎・CCNAなど
Linux・ネットワーク・クラウド基礎
HTML/CSS・JavaScript等+制作物
資格取得だけを長期間続け、応募を先延ばしにする必要はありません。 求人を見ながら「応募」と「学習」を並行する方法もあります。
未経験からIT転職までの5ステップ
「ITなら何でもいい」ではなく、サポート・インフラ・開発など方向を決めます。
必要資格、勤務時間、未経験可の条件、仕事内容で何が共通しているか確認します。
ITパスポート、PC、ネットワークなど、志望職種に合わせます。
「営業→顧客対応」「設備管理→障害対応・点検」 「事務→PC・調整業務」のように使える経験を整理します。
仕事内容だけでなく、研修後の配属、夜勤、勤務地、給与体系、キャリアまで確認します。
「未経験歓迎」求人で必ず見るポイント
⚠ 「未経験歓迎」の4文字だけで決めない
同じ「IT未経験歓迎」でも仕事内容はかなり違います。 入社後に何をするのかまで読んで比較しましょう。
研修後の配属先
何の仕事に配属されるか具体的か。
実際の業務
IT業務の範囲が具体的に書かれているか。
夜勤・シフト
24時間監視なら勤務形態を確認。
勤務地
客先常駐の可能性や転勤範囲も確認。
給与の内訳
基本給・固定残業代・各種手当を分けて見る。
1〜3年後の仕事
経験を積むと担当範囲が広がる環境か。
前職は意外と無駄にならない
IT未経験だからといって、それまでの職歴がゼロになるわけではありません。
| これまでの経験 | IT職で言い換えられる強みの例 |
|---|---|
| 営業 | 顧客対応・ヒアリング・説明・調整 |
| 接客 | 問い合わせ対応・コミュニケーション |
| 事務 | PC操作・正確性・文書作成 |
| 設備管理 | 監視・点検・異常時対応・報告 |
| 製造 | 手順遵守・品質確認・改善 |
職務経歴書では「IT経験がありません」で終わらず、 前職で何を確認し、誰と調整し、どんな問題を解決してきたかまで書くと整理しやすくなります。
よくある質問
IT=プログラマーだけではありません。 ヘルプデスク、運用、サポート、インフラなどコードを書くことが中心ではない仕事もあります。 ただしITの基礎学習は必要です。
応募先によります。まず基本的なPC操作やIT用語を学び、 実際の求人に書かれている必要スキルとの差を確認しましょう。
資格だけで採用が決まるわけではありません。 学習、これまでの経験、応募先との適性などを含めて判断されます。
求人によっては可能ですが、社内SEは会社によって仕事内容が大きく異なります。 ヘルプデスク、アカウント管理、ネットワーク、ベンダー調整など 何を担当する求人なのか確認しましょう。
次にやること
まず求人サイトで気になるIT職種を2〜3個検索して、 仕事内容を比べてみてください。
「未経験歓迎」という言葉ではなく、 入社後に何を経験できるかを見るのがポイントです。
参考情報
本記事は、厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」、 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の公開情報等を参考に、 未経験者向けに内容を整理しています。
仕事内容・応募条件・勤務形態等は企業や求人によって異なります。 応募時は必ず各求人の最新情報をご確認ください。
参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「運用・管理(IT)」「ヘルプデスク(IT)」「セキュリティエキスパート(オペレーション)」
参考:IPA「ITパスポート試験」