20代のIT転職では、ネット上の「IT平均年収」だけで初年度を予想しないことが大切です。厚労省job tagではWebサービス開発SEの全国年収は578.5万円ですが、平均年齢は37.1歳。ヘルプデスクも609.8万円・平均42.2歳です。つまり経験者を含む職種平均と、20代未経験の入社時年収は別物です。
- 20代IT転職の年収を見る方法
- 未経験と経験者の違い
- 20代前半・後半で考えること
- 年収を伸ばすキャリア
- 求人で確認する項目
まず「ITの平均年収」に騙されない
厚生労働省job tagの最新掲載値では、Webサービス開発SEは年収578.5万円・平均年齢37.1歳、ITヘルプデスクは609.8万円・平均年齢42.2歳です。ヘルプデスクのハローワーク求人賃金は月29.0万円となっています。
| 指標 | 何が分かる? | 注意点 |
|---|---|---|
| 職種の平均年収 | その職種全体の給与水準 | 20代・経験者・ベテランが混ざる |
| 年齢階級別賃金 | 20〜24歳、25〜29歳などの傾向 | 「IT未経験だけ」の数字ではない |
| 求人賃金 | 現在の募集条件の目安 | 未経験可か、手当・賞与など個別確認が必要 |
平均年収より「未経験可求人の基本給・賞与・固定残業代」と「2〜3年後にどんな実務経験が残るか」を見るほうが実用的です。
20代未経験:初年度だけで判断しない
異業種からITへ移る場合、前職の給与が高ければ一時的に年収が下がる可能性があります。逆に営業、接客、事務、設備管理などの経験が、顧客対応・調整・障害対応・業務理解で評価されることもあります。
重要なのは「未経験だから何でもいい」ではなく、最初の仕事が次につながるか。たとえばヘルプデスクならアカウント管理やSaaS管理、インフラなら監視だけでなく運用・構築へ進める環境かを確認します。
20代経験者:年数より「何をやったか」
同じ3年経験でも、定型監視だけを担当した人と、運用改善・構築・クラウド移行まで経験した人では職務経歴が異なります。転職時は「3年働いた」より、担当システム、技術、工程、改善内容、役割を説明できることが重要です。
厚労省job tag掲載の2023年度委託調査では、設計・構築分野の年収レンジはITSSレベル1〜2で420〜620万円、レベル3で450〜700万円、レベル4で500〜780万円、レベル5以上で600〜950万円。年数だけではなくスキルレベルによってレンジが変わります。
20代前半と後半で考えること
20〜24歳
まずITの基礎と実務経験を作る時期。最初の会社の年収だけでなく、ネットワーク、Linux、クラウド、社内システムなど「次の求人でも説明できる経験」が残るかを重視します。
25〜29歳
未経験転職も十分検討できますが、前職で得た経験とIT職の接点を説明したいところ。すでにIT経験があるなら、運用→構築、オンプレ→クラウド、ヘルプデスク→社内SEなど、一段上の担当領域を狙う考え方があります。
※年齢だけで採用可否や給与が決まるわけではありません。企業、職種、経験、地域などで異なります。
20代から年収を伸ばすルート例
| 入口 | 次に狙う経験 | その先 |
|---|---|---|
| ヘルプデスク | 端末・アカウント・SaaS・NW管理 | 社内SE / インフラ |
| インフラ監視 | 運用・障害対応 | 構築 / 設計 / クラウド |
| ネットワーク運用 | 構築・設定変更 | 設計 / クラウド / セキュリティ |
| SOC監視 | ログ分析・インシデント対応 | セキュリティ専門職 |
これは「この順番なら必ず高年収」という意味ではありません。定型業務から、判断・構築・設計・改善・専門性が必要な仕事へ担当範囲を広げるという考え方がポイントです。
求人票で年収と一緒に見る7項目
- 基本給と固定残業代の内訳
- 賞与の有無・実績
- 夜勤・シフト・オンコール手当
- 入社直後の仕事内容
- 研修後の配属先
- 2〜3年後に進める工程
- 昇給制度と評価基準
月給が少し高くても、固定残業込み・夜勤込みなら条件は変わります。逆に初年度が少し低くても、構築やクラウドへ進める会社なら中長期の選択肢が広がることがあります。
よくある質問
20代未経験で年収500万円は普通?
「普通」とは言えません。職種平均には経験者が含まれます。500万円以上の未経験求人が存在することと、20代未経験者の一般的な水準であることは別です。
年収を下げてITへ行く価値はある?
一律には決められません。下がる金額、生活への影響、入社後に得られる経験、昇給・転職可能性を比較して判断します。「ITだから将来上がる」とだけ考えるのは避けましょう。
資格を取れば未経験でも給与が上がる?
資格だけで給与が保証されるわけではありません。ただ、CCNA、LinuC、AWS系など目標職種に沿った学習は、基礎知識を示す材料になります。
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参考データ
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府統計の総合窓口e-Stat、厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」を参照。賃金構造基本統計調査では年齢・勤続年数等の属性別結果が提供されています。記事中の職種平均は個人の初年度給与を保証するものではありません。